ゴンが、ピッチに帰ってきた。JFLアスルクラロ沼津の元日本代表FW中山雅史(48)が11日、磐田市内で行われたJ2磐田との練習試合で3年ぶりの実戦復帰を果たした。2トップの一角として途中出場し2-1の勝利に貢献した。

 「ボール、触れなかったよ」。試合後、悔しそうに選手の輪に加わった。約30分をかけ入念にアップし、後半38分から約8分間出場。ロングボールの競り合いや相手DFへのプレスなど気迫のこもったプレーを見せたが、ボールに触ることはできなかった。「うまくいかなかったけど、それもサッカー。醜態をさらしても笑ってくれればいい」。真剣な表情で、振り返った。

 公式戦出場へ、大きな1歩を踏み出した。視察した沼津の山本昌邦会長は「ピッチに立っただけで、大きなこと。1段ずつ階段を上っている」と話した。本人も「少しずつ技術、動きや駆け引きを高めていけば、公式戦出場はなきにしもあらずだと思う」と意欲を見せた。試合後は、両膝をアイシングしながら約40人のサポーターのサインに応じた。大人になったサッカー少年の再挑戦は、始まったばかりだ。【保坂恭子】