天国の元日本代表MF奥大介さん(享年38)へ、勝利を届ける。J2磐田は奥さんの一周忌を迎えた17日、磐田市内のグラウンドでチーム全員で追悼した。その後、今日18日のホーム札幌戦に向けて練習した。

 グラウンドに現れた全選手、スタッフがおそろいの紺色のTシャツを着ていた。奥さんの現役時代の背番号「8」をデザインしたもの。磐田のユニホームのサプライヤーで、奥さんも契約していたプーマ社が無償提供した。練習前に、奥さんの現役時代のユニホームを手に集合写真を撮影。さらに名波浩監督(42)は「この1年は早かった。自分が誓わなければならないこと、やらなきゃいけないことを考えて黙とうしよう」と呼びかけ、全員が輪になって目を閉じた。

 奥さんは1994年から2001年まで磐田に在籍した。2度のリーグ優勝に貢献するなど、黄金期の立役者だった。しかし14年10月に交通事故で急死。名波監督は「大介はこのクラブのレジェンド。サッカー界にとっても大きな死だった」と振り返った。

 昨シーズンは、奥さんの死後、5分け1敗と1度も勝利できないまま、J1復帰を逃した。それから1年がたち、今季は自動昇格圏内の2位をキープしている。今日18日の札幌戦では、奥さんが着用したユニホームをベンチ内に掲げる予定。名波監督はベンチ入り停止で「大事な試合でベンチにいないのは申し訳ないけど、勝ち点3が必要なことは選手が一番理解している」と語り、自らの思いを託した。【保坂恭子】