柏の瀧川龍一郎社長(51)は28日、吉田達磨監督(41)の今季限りでの退任を発表した。クラブと本人の相互合意に基づくものとした。後任として前ブラジル1部アトレチコ・パラナエンセ監督のミルトン・メンデス氏(50)と交渉中で、近日中にも合意する見通し。
今季就任した吉田監督は第1ステージで14位に終わり、年間順位でも現在9位にとどまっている。
以下、瀧川社長のコメント
-吉田監督の退任の理由
瀧川 シーズン頭にアカデミーからシームレスな(継ぎ目のない)サッカーをやっていくんだと、壮大な計画を立てまして、それに向かってスタートしましたけど、成績等を鑑み、総合的に判断して、本人とも話し合った結果、今季限りで退任いただくことに決定しました。
-来季以降のアカデミーの意味合いは
瀧川 育成を大事にしてアカデミーからシームレスなサッカーをしていくことが決してダメだった、失敗だったということではなく、この部分はブレずに、育成をきちんとして、強いチームを根っこからつくっていくんだというポリシーでやっていきたい。
-フロントにも変更が
瀧川 11月1日に明確な意志を打ち出すという意味を込めて育成事業部を設立し、小田切(琢也)を責任者にする。また強化の方もチームから独立して強化部という組織を新設し、コーディネーターをやっている広川(邦生)を部長、渡辺(光輝)を副部長として強化していく。
-新監督になる見通しのメンデス氏について
瀧川 非常に良い話し合いをさせていただいている感触を持っているので、近日中には正式に合意に至れるのではないか。育成からきちんと育て上げることができ、今求めているパスサッカー、ポゼッションサッカーを大事にしたいという面から監督を選定した。
-渡辺(毅)ダイレクターがシーズン途中でアカデミーの指導に専念するようになったのは
瀧川 来季の新体制を考えた上で、渡辺毅ダイレクターについてはアカデミーでと考えているので、彼を移したということ。(強化部部長になる)広川は、彼の手腕や経験をふまえて適任であると判断した。
-吉田監督はチームには残らない
瀧川 現時点で合意になっている内容としては、来シーズンのいろんな体制を考えて、吉田現監督はクラブには残らない。
-吉田監督を1年で見切った理由
瀧川 今シーズンの成績も当然あるが、このままやっていて来年、大きな飛躍が望めるかと考えると、そんなに時間をかけてはいられない。来シーズンどうするかを考えた時、このタイミングで交代させるのが1番良い選択だと考えた。
-吉田監督を交代させようと考え始めたのは
瀧川 やはり第1ステージの14位という結果。その時点でダメだという判断をしたわけではないが、J2に落ちるとか、最悪の事態も想定しながら、ある程度の検討は進めなければと思った。メンデス氏に決めようとなったのは、最終的にはここ数週間。
-最終的に吉田監督を代える最大の要因となったのは
瀧川 1つはやはり成績。それ以外でいうと、いろんなチームビルドの問題。総合的にというしかないが、来年度この体制でやって、本当に優勝できるチームをつくれる可能性がどれだけあるのかと考えると、そこまでは難しいだろうと。第2ステージでも出来不出来の波があった。(2-3で敗れた10月17日の)鹿島戦以前から本人とも(監督交代について)話しをしていました。
-監督交代を告げた時の吉田監督の様子は
瀧川 最初は直接私が本人と話をしたわけではないですけど、そこは当然ながら最初から受け入れてくれたということではなかったと認識している。いろいろ話し合いを重ねて、レイソルの来年、それ以降を考えて納得をしてもらった。
-来季の大きな飛躍とは
瀧川 リーグの中できちんと優勝を争えるポジション。ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)の出場権が取れる年間3位に最後まで絡めるところにはもっていければなと思っている。
-メンデス氏はトップレベルのクラブで経験が豊富な指揮官ではないが
瀧川 いろいろ調査をして、監督候補の中で若手育成に期待が持てる、力を注ぐことができる監督だと判断した。(日本が初めてということで)一定の不安はあるが、プロの監督なので、我々フロントがきちんとサポートしていけば乗り越えられない不安ではない。
-メンデス氏のプレースタイルが柏に合わない場合は
瀧川 それについては監督とよく話をした上で修正していかなければならない部分は修正しなければならないが、そこはフタを開けなければ分からない。
-吉田監督は1年で退任となったが、メンデス氏に与える時間は
瀧川 状況しだいです。1年とか2年ともともと決めているわけではない。代えた方が将来のためになると判断すれば交代となる。現時点ではできる限り長期間、安定的に強いチームをつくってほしいと思っている。
-今季残り試合は
瀧川 あくまで吉田監督とは合意の上で今シーズンでの退任ですので、そこはモチベーション高く戦ってもらえると思っていますので、天皇杯も頑張りたい。