鹿島の最多6度目か、G大阪の2連覇か。ナビスコ杯決勝が今日31日、史上初の3冠チーム同士の顔合わせで行われる。

 G大阪FW宇佐美貴史(23)に余裕が出てきた。緊張でガチガチだった1年前の決勝とは違う。非公開で行われた練習後、ピッチからロッカー室へと続く通路に現れたG大阪のエースは、リラックスした様子だった。

 「いつも通りですね。硬くもなく(力が)抜けすぎていることもない。昨年の決勝(広島戦)は序盤に2失点して、最後まで諦めずに戦った結果、逆転で勝った。何が起きても動じない力が大事になる」

 生まれ育ったG大阪に帰ってから約2年半。復帰した年はチームがどん底だった。それでも13年は18戦19得点を挙げ、J2優勝に導いた。翌14年はナビスコ杯、J1リーグ戦、天皇杯の3冠達成。2年間のドイツ移籍から帰国後、国内主要タイトルは全て獲得した。今日の決勝で鹿島を破り、大会2連覇を達成すれば復帰後5冠目。タイトル請負人にふさわしい。

 「まず(今季の)1つ目を取ることが本当に重要。みんなで表彰台に上がりたい。こういう舞台では、しっかりと結果を残してきた自負がある。攻撃を引っ張っていきたい」

 昨年の決勝は、広島に3-2で逆転勝ち。勝利が近づくと、宇佐美は試合中に号泣した。今大会は日本代表合宿のため、決勝まで出番なし。それでも優勝への思いは人一倍強い。2季連続で3冠達成なら史上初。まずは15年の初タイトルをつかむ。【益子浩一】