仙台FW山本大貴(24)が、来季J2の松本から正式オファーを受けていることが12日までに分かった。昨季移籍で所属した松本を初昇格へ導いた若きストライカーへ白羽の矢を立てた模様。今後、交渉など行い結論をだす見込みだが、山本はまず残る天皇杯を最優先に全力を注ぐ。さらに、クラブは東京MF三田啓貴(25)へ正式オファーを送り獲得交渉を進めていることも明らかとなった。

 山本に熱烈ラブコールが届いた。「成長できた」と話す古巣でもある松本からの獲得打診。今季仙台でつかめなかったレギュラー定着を来季目指すか、カテゴリーでは下となるJ2で結果を残し再ブレークするか。この日までに正式オファーを受け、両クラブとの話し合いの末に決断する。

 山本は14年に駒大から仙台へ入団。同大OBでもある渡辺監督の後輩でもあり、希少なレフティーFWとして活躍が期待された、将来のエースストライカー候補だ。豊富な運動量で、細身ながら力強いシュートを放つのが魅力。相手DFの裏へ抜ける動きを得意とし、14年に期限付き移籍した松本(J2)では26戦出場で7得点をマーク、初昇格の立役者にもなった。

 仙台へ復帰した今季はリーグ15戦1得点。J1でのプレーや先発争いに奮闘も、もがき苦しんだ1年間を過ごした。山本は「この1年間はチームメートにも恵まれ、良い経験ができた。楽しかったですし、この経験は今後に生きる。オファーはうれしいですが、何より天皇杯があるので、チームに迷惑をかけないよう仙台の選手として全力でやる」と話す天皇杯を戦い抜いた先に未来を決める。

 山本の流出可能性が浮上したが、強化部は東京MF三田の獲得にも動くなど精力的に補強へ乗り出している。三田はマインツ武藤と幼なじみの攻撃的MFで、東京下部組織から明大を経て東京入りした25歳。左利きの独特なリズムでボールを動かし、ドリブルやパスで攻撃の起点となる活躍が期待される即戦力。近日中に本人と接触する予定だ。