小野対カズin函館! Jリーグが28日、今季リーグ日程を発表し、J2札幌が7月3日のJ2第21節横浜FC戦を、5年ぶりに函館市千代台公園陸上競技場で開催することが決まった。北海道新幹線開業イヤーに復活する函館でのゲームは、天才とキングの直接対決。クラブは新幹線を使った関東や東北からの観戦ツアーなども検討しており、注目の一戦を営業面でも盛り上げ、新規顧客開拓につなげる。

 小野とカズが北海道新幹線と道南函館で“コラボ”する。函館千代台公園陸上競技場は、スタジアム基準を満たしておらず12年以降撤退も、昨年12月からJリーグと折衝を続け、新幹線開業初年度という抜群のタイミングでの復活にこぎつけた。しかも相手はカズことFW三浦知良(48)を擁する横浜FCに決まった。

 小野にとっては、尊敬するキングとの直接対決。札幌移籍後初対戦した昨年7月4日横浜FC戦は、敵地ニッパツで0-0ドロー。試合後のロビーで仲良く2ショット写真を撮った。函館で実現すれば道内初対決となる。「まず開幕戦に勝つことが大事だけど、久しぶりに開催される函館の人にも、楽しんでもらえる試合をしたいね。カズさんも自分も、お互い良い準備ができれば」と、マッチアップに思いをはせた。

 クラブも新幹線開業によるアクセス効果と、小野&稲本対カズという好カードを生かし、新たなサポーター開拓を始める。「クラブ名に北海道が付き、北海道を中心としたホームタウン活動を進める上で、函館開催は大きなこと。新幹線開業もあり、東北などからの集客にもつなげられれば」とクラブ幹部。知名度抜群の2人の対決は、札幌だけではなくサッカーファンなら誰でも興味を示すものだけに、JRと連動した道外からの新幹線旅行&観戦ツアーなどを、検討していく。

 東京からでも8時台の新幹線に乗れば午後2時の試合開始に十分、間に合うことを調査済み。東北だけではなく在京ファンに向けた営業も開始する方針だ。

 チームとしても、5年ぶり函館開催は、何としても勝って盛り上げたいところ。過去13戦で3勝と“鬼門”も、前回開催した11年8月21日京都戦は2-1と競り勝ち、昇格につなげた。「北海道コンサドーレ札幌」初年度は、函館でのカズ討ちから一気に加速し、目的地のJ1へ、まっしぐらに突き進む。【永野高輔】

 ◆札幌の函館での公式戦 リーグ、ナビスコ杯の計13戦で3勝3分け7敗。リーグ戦は2度目の開催となった01年4月29日J1G大阪戦で、FW播戸が豪快なボレーシュートを決め1-0と初勝利。02、03、04年と3連敗後、05年10月22日山形戦でMF西谷、FW清野らが得点し3-1と4年ぶり白星。前回開催の11年8月21日J2京都戦は、FWジオゴ、近藤の得点で2-1と勝利を挙げている。