磐田の新人FW小川航基(18=神奈川・桐光学園)が対外試合初ゴールを挙げた。J2清水戦の後半36分から出場し、44分に決勝点。リオデジャネイロ五輪の飛び級での選出を狙うU-18(18歳以下)日本代表のエースが勝負強さを発揮した。磐田はJ2清水に1-0で勝って2連勝で勝ち点6。清水は3。J3鹿児島とJ2北九州は1-1で引き分け、ともに勝ち点1。

 小川航は好機を逃さなかった。後半44分、左からMF荒木が上げた低いクロスに反応した。「止まって受けようか迷ったけれどニアが空いていた」。指をさしてボールを要求し、右足ダイレクトでプロ初ゴール。「正直ホッとしました」。仲間から祝福されて満面の笑みを浮かべた。

 1月13日に磐田市内の寮に入り、同27日から鹿児島キャンプに臨んだ。高校と比べて少ない練習量に戸惑い、スピード、フィジカルの強さなどプロの壁に、もがいている。午前中の練習試合では開始から10分以上ボールに触ることができず、名波監督から「そんなサッカー選手はいない」と叱咤(しった)された。

 だが、磐田のエース背番号18を背負い、「サッカー偏差値が高い」(名波監督)新人は勝負強かった。0-0の後半36分に出番が巡ってきた。「絶対に決める」と気合十分で出場すると、約8分後に思い描いた通りの1発を決めた。

 3日には日本協会の霜田技術委員長が、8月のリオデジャネイロ五輪代表に東京五輪世代を融合させたい、との意向を示した。活躍が続けば手倉森監督の目に留まるかもしれない。小川航は「そこ(リオ)を目指さないのはもったいない。結果を出して、名を残せるような選手になりたい」と力強く言い切った。

 ◆小川航基(おがわ・こうき)1997年(平9)8月8日、横浜市生まれ。大豆戸ジュニアユースから桐光学園に進み、1年時から主力として活躍。U-18日本代表では昨年6月のパンダ杯(中国)で3戦5得点で優勝に貢献し、10月のU-19アジア選手権予選(バーレーン)で3戦3発。高円宮杯U-18プリンスリーグ関東では12ゴールで得点王。今冬の全国高校選手権では2試合4得点。180センチ、70キロ。