「トップ5」実現への秘策? 仙台が今季から本格的にメンタルトレーニングを導入した。クラブスポンサーの「アイデアヒューマンサポートサービス」の協力を受け、初めてチーム全体でのメンタル強化に取り組む。宮崎キャンプに同社代表の浮世満理子氏を招き、前日18日には約2時間の講習が行われていた。浮世氏は昨季J1優勝の広島、なでしこリーグ2位に輝いた仙台レディースなどを指導。頼もしい援軍を得た。

 メンタルトレ導入で“3本の矢”がそろった? 1つ目はキャンプで上積みしてきたボルシアMG流「堅守賢攻」、2つ目はテクニカルな顔触れが並ぶ「選手たち」、そして3つ目が「メンタル」だ。就任3年目の渡辺監督が目標に掲げた5位以内を達成するための新たな武器を手に入れた。

 プロフェッショナル心理カウンセラーの浮世氏は、プロゴルファーの上田桃子や、アテネ五輪金メダリストの体操・米田功氏らを担当。サッカーでは昨季J1覇者の広島にも関わったという。昨年から指導する仙台レディースでは、セットプレー時に選手らが円陣を組むようなルーティンも実行させた。月1回程度、講習を行い、闘争心や一体感を育んだことで、チームの躍進につなげた。

 18日の第1回講習に参加したMF佐々木匠は「まだ1回ですけど、試合時の心の落ち着かせ方などを聞いてすごくためになった。こういうのは大舞台では特にいきてくると思う」と早くも刺激を受けた様子だ。

 15年シーズンから個人で指導を受けてきた渡辺監督の希望もあり、チーム全体で取り入れることになった。「うちには代表や五輪を目指す選手もいる。プロの世界でいろいろな場面や状況で試合をする中での1つのスキルとして、感情のコントロールが身につくといい」。新たなサポートを力に変え、新シーズンを走りきる。【成田光季】