ベンチ外の悔しさを晴らす。J2札幌は4日、熊本・大津町運動公園球技場で紅白戦を行い、DF福森晃斗(23)が主力組の左DFに入った。昨季チーム最長3487分出場の中心選手も、2月28日の開幕東京V戦は、ベンチからも外れた。明日6日岐阜戦先発が濃厚で「何かが足りなかった。ダメなら代えられてしまうという危機感を常に感じながら、プレーしたい」と気を引き締めた。

 味スタでの開幕戦は屈辱の熊本居残り。宿舎でテレビ観戦しながら、自分が出たときのイメージを描いていた。「悔しかったが気落ちしている暇はなかった。縦に蹴るボールが多いと思ったので、もし出たら、左からしっかりビルドアップして攻撃の起点になれるようにと考えていた」。2戦目で訪れた雪辱チャンスを、武器である左足キックを生かし、ものにする。

 熊本合宿中、練習試合で主力から外れることが続き、大塚フィジカルコーチから「出られて当然という雰囲気が出ている」と指摘された。「そういうつもりはなかったけれども、言われるということは、そんな空気が出ているのかもしれない」。移籍初年度の昨季はチーム最多タイ39試合に出場。今季も当然、主力として期待されているという甘えが、無意識のうちに、にじみ出ていると気づかされた。

 「自分は守備に課題がある。攻守に安定感を出さないと」。まずは謙虚にDFの本分を全うした上で、攻撃センスを生かしていく。【永野高輔】