J2札幌の3連勝はならなかった。勝ち点10で並んでいた町田に0-2で敗れた。前半23分にFKを決められて先制され、試合終了直前ロスタイムにも失点した。後半31分、1日にトップチーム(2種)登録されたFW菅大輝(17)が、17歳206日で公式戦初出場。惜しいシュートもあったが得点を決められず、クラブ史上、MF荒野の17歳187日に次ぐ若年デビューはほろ苦いものとなった。チームは、順位を4位から7位に落とした。

 「菅ちゃん、良かったよー」。試合後のサポーターの声に菅はペコリと頭を下げたが、口は真一文字に結んだままだった。0-1の後半31分、DF進藤と交代で、初めてリーグ戦のピッチに入った。7分後に右サイドから切れ込んで打った左足シュートは、ゴールをとらえられなかった。後半ロスタイムに追加点を許して完封負け。「デビュー戦は勝利がほしかった」と、17歳が唇をかんだ。

 開幕から5戦6発のエースFW都倉が体調不良で急きょ欠場、序盤から攻撃の勢いを欠いた。前半のシュートは、町田の6本に対して札幌はわずか1本。初先発のFWへイスら攻撃陣が連係に苦しんでいた前半23分、ゴール正面のFKを町田MF鈴木に鮮やかにたたき込まれた。「(都倉は)チームで一番取っていますから(影響が)なかったとはいえない」とMF宮沢。エース離脱の影響は大きかった。

 後半開始と同時に四方田修平監督(43)は動いた。MF稲本、ヘイスを下げ、スピードのあるDF上原、FW内村を投入した。シュートは9本に増えたが、前半の守りで体力を消耗したDF進藤が右ふくらはぎをつり、攻撃が持ち味の菅と交代。薄くなった守備をカウンターで突かれ、終了間際にダメを押された。「開幕から5試合はギリギリつらなかったけど、今日はもたなかった…」。開幕からの連続フル出場が5で途絶えた進藤は、痛々しく右足をひきずり、帰りのバスに乗り込んだ。

 次節9日はホームで岡山と対戦する。指揮官は「切り替えて、次の試合に向けて準備していきたい」と言った。この日、高校生の菅がアピールした。ケガで出遅れていたFW内村もゴール前に切れ込み、復調を予感させた。「まだまだ良くなります。チームのために結果を残したい」と内村。J1昇格へ、立ち止まることは許されない。【中島洋尚】

 ◆菅大輝(すが・だいき)1998年(平10)9月10日、小樽市生まれ。3歳でサッカーを始める。札幌U-12、同U-15を経て14年に同U-18昇格。U-16から各世代別日本代表に選ばれている。札幌では2年ぶりの2種登録選手で、年間通じてのトップ同行は09年MF古田、10年MF荒野に続き6年ぶり3人目。家族は母親と兄妹。171センチ、69キロ、血液型AB。利き足は左足。