内村弾で2位浮上! J2札幌は徳島を1-0で下し2連勝した。前半20分にFW内村圭宏(31)が今季ホーム初得点を挙げ、これが決勝点となった。内村の札幌選手歴代最多となるJリーグ50号で、本拠地4連勝。6勝2分け2敗で勝ち点を20に伸ばした。首位町田が引き分け、前節まで2位のC大阪が敗れたため、11年以来、5年ぶりの2位、首位との勝ち点1差に肉薄した。

 献身的守備と点取り屋の嗅覚を融合した、技ありの一撃だった。前半20分、FW内村は相手バックパスに乗じ、徳島GK相沢に猛ダッシュでプレス。内村の接近にバランスを崩した相沢のクリアは、ふらふらとハーフウエーライン付近に上がった。こぼれ球を堀米、ジュリーニョとヘッドでつなぐと、オフサイドラインぎりぎりに潜んでいた13番は、するりと抜け出した。

 「すべてイメージ通り。角度はあそこしかないと思って蹴った」。相手DFを背負いながらジュリーニョのパスを、ポンと自分の前で1度バウンドさせると、2度目に弾んだ瞬間を見計らい左足を振り抜いた。ボールの着地ではなく、GKのタイミングをずらし、浮いた瞬間を蹴り抜き、左から右へ、横っ跳びしたGKの指先をかすめ流し込んだ。

 17日山形戦で今季1号、前節23日C大阪戦は稲本の決勝点をアシスト。そして本拠初得点に「ドームの大観衆の前で決められて気持ち良かった」と喜んだ。好調のカギは「軽量化」。クラブ公式は67キロながら、昨季まで72キロをベスト体重に定め、調整してきた。「減っていたら、わざと多く食べたりしていた」。今季は違う。2キロ減量し、70キロを目安にした。「年のせいかもしれないが、かなり軽く感じる」と、持ち前の速さと切れが戻ってきた。

 札幌50号は通過点。「長くいるから多いのは普通。外したのを決めてたら100点ぐらい取れていていい。外した分これから取り返す」と言う。5年前は12得点で昇格に導くも、翌12年は、わずか2点とJ1の壁にはね返された。もう1度J1で勝負したい。雪辱を期す31歳。まずは連発で勝ち点1差に迫ったJ2首位の座を狙いにいく。【永野高輔】