新潟は2-2で甲府と引き分けた。4試合ぶりの勝利はならなかった。0-1の前半18分、MF田中達也(33)の今季3ゴール目で追いついた。1-2と再びリードされた後半29分は、オウンゴールで同点にした。新潟は次節(4日)、鹿島とカシマスタジアムで対戦する。

 敗戦ムードが一気に好転した。後半29分、FW指宿洋史(25)のポストプレーから出た縦パスに、MF加藤大(24)が反応。ペナルティーエリアに進入したところで、相手DFがクリアミス。ボールはマウスに収まった。

 1-1の後半15分、新潟のゴール前、右寄りの位置で甲府のFK。クリスティアーノの蹴ったボールをGK川浪吾郎(25)が横っ跳びでセーブにいくが、一瞬早くボールはゴールネットに突き刺さった。その後の重苦しい雰囲気を振り払って勝ち点1をもぎ取った。

 伏線は前半にあった。前半14分に先制を許した後の、同18分、加藤のFKのこぼれた球をMF田中が押しこんで追いついた。「ゲームを手放すな。アグレッシブにゴールに向かおう」。ハーフタイムの吉田達磨監督(41)の指示通り、あきらめずに戦ったことが勝ち点ゲットに結び付いた。

 甲府戦前の練習。練習場のピッチのネットに、サポーターの有志が応援用の横断幕を張り付けた。第5節福岡戦以来の白星、今季のリーグ戦ホーム初勝利を手にすることはできなかったが、期待に応える十分な闘志は今後の上昇につながる。【斎藤慎一郎】