J2山形が群馬に3-1で快勝し、今季初ホーム戦勝利を3連勝で飾った。前半29分、FW林陵平(29)が先制点を決めると、2分後の同31分にはMF伊東俊(28)が追加点を挙げた。同43分にはFWディエゴ(32)が3点目を決めて圧倒。システムを4バックに変更した先月17日の札幌戦から4戦3勝1分けと、勢いが止まらなくなってきた。

 開幕当初とは、まるで別のチームを見ているようだ。この4戦から左サイドハーフ(SH)に定着したMF汰木(ゆるき)康也(20)は「陵平さん(林)が前にいることでボールが収まるようになった」と好調の要因を説明する。

 ポストプレーにたけた林を経由して、両SHが中に切れ込む攻撃パターンが確立された。林も「自分が中に顔を出すことで、攻撃の幅が広がる」と手応えをつかむ。この日の先制点と2点目はともに両SHが、中に切れ込んでから生まれた。開幕7戦でわずか5得点だった攻撃陣が、システム変更後の4戦で6得点と、破壊力を増した。

 シーズン中のシステム変更という「劇薬」を投入してチームを変革した石崎信弘監督(58)は「左サイドが起点になってゲームをつくれた」と振り返った。リーグでのホーム戦勝利は昨年の5月10日、J1柏戦以来約1年ぶり。試合後、5000人を超える山形サポーターがイレブンをたたえた。林は胸を張る。「今はこのサッカーを続けていくことが大事。今日の試合も自信を持ってできた。次に向けて連勝を伸ばしていきたい」。今は勝利しか見えない。【高橋洋平】