暫定首位の川崎Fは新潟と痛い引き分けに終わり、アウェーでの連勝が5で止まった。2日前に内出血で腫れた左足裏に痛み止めの注射を打って臨んだエースFW大久保嘉人(33)は不発。再三、両サイドを打開しても最後のクロスが合わず「あれだけ(サイドを)崩せていたら5点は入った」と悔しさをにじませた。攻撃練習で、サイド陣がエリアの中を確認してから上げている点を指摘し「練習のための練習になってる。試合ではもっと速く上げないと。1人1人が試合の緊迫感を想定してやらないと」と注文をつけた。

 暫定首位はキープも、2試合消化の少ない浦和との勝ち点差は2。大事な一戦に勝てず、エースは「これがフロンターレじゃない?」とバッサリ。終盤は防戦一方になり「こんなチームに引いて守っていては…。ボールを奪ったら前につけないと」とやりきれなさを口にした。

 今季の大久保はサイドからのクロスに頭で合わせ4得点を挙げており、クロスの質を口酸っぱく周囲に要求してきた。13試合消化しても納得のいくサイド攻撃が少なく「それだったら、中央からミドルを打ちたい」とポツリ。第1ステージも残り4試合。悲願のタイトル獲得へ、課題の解消が急務になってきた。【岩田千代巳】