J2札幌の野々村芳和社長(44)が7日、右膝前十字靱(じん)帯断裂で今季絶望となったMF稲本潤一(36)に、契約延長のオファーを出す方針を明言した。昨季加入の稲本は2年契約で、今季限りで契約が切れるが同社長は「来季も当然、札幌でやってもらう。契約も延長する」とクラブ方針を明かした。今後、本人の意思を踏まえ、代理人を通じ残留交渉を開始する。

 知名度、実力ともに抜群のスターを来季もチームに残す方針を固めた。来季は38歳になる稲本だが、クラブでは、ケガさえ治れば、再びピッチで貢献できると判断。年齢的衰えは考慮しながらも、それを上回る能力、経験や影響力を評価し、契約延長に踏み切る。

 「後は復帰に向けた最高の準備をするだけ」と同社長。来季J1昇格を果たし、その舞台で17番復活となれば、稲本自身もこれ以上のものはない。4日千葉戦で負傷した際、稲本は控室でチームメートに「昇格して欲しいなぁ」とつぶやいたという。「稲本さんが戻ってきたときに、いい状況でプレーさせてあげたい」とDF福森。大きな戦力ダウンも、これをバネに代え、J1昇格への力にする。