仙台はアウェーで柏を2-0で下し、今季初の3連勝を飾った。前半32分にMF三田啓貴(25)が先制点を奪うと、後半25分にはFWハモン・ロペス(26)がPKで追加点を決め試合をものにした。守っても無失点に抑える完勝だった。

 三田の先制弾直後、イレブンは“ゆりかごダンス”を披露。10日に第2子となる男児が生まれたMF富田への祝福に「良い1日になりました」と、主将は満面の笑みを浮かべた。前日ミーティング内で指揮官が「勝って(ダンスを)してあげて」と促し、FW野沢も「やってやりてぇなぁ」と言い、見事に実現した。

 今週のトレーニングで反復してきた、背後をシンプルに突く動きから先制点が生まれた。DF石川直が相手DFの裏へ抜けるパスを流し、反応したMF梁がクロスを送る。今季から取り組む、後方の選手の加勢も形になったMF三田のゴールだった。

 チーム一丸だった。三田は前半26分頃に相手選手と交錯したことで脳振とうを起こし「ボールを追うのが精いっぱい」の状況だった。それでも必死にボールを追いかけ、勝利に導いた。後半から代わって入ったMF藤村は「タマ君(三田)は点を取って交代した。自分も(得点を)狙えれば」と気合を入れた。

 白星を3つ並べるのは実に2年ぶり。殊勲の三田は「チームメートを信じ、ケイタ(藤村)に出てもらった。倒されて記憶も飛んでいたけれど勝てて本当にうれしいって思います」とニッコリ。同じ方向を向き、ここから連勝街道をゆく。【成田光季】