福岡は名古屋に0-5と大敗し、1年で来季のJ2降格が決まった。

 残留へ負けられない大一番は大敗だった。福岡は3戦を残し年間16位以下が確定。最多タイ4度目のJ2降格が決まった。FWウェリントンは座り込み、FW邦本は両手をピッチについたまま動けなかった。

 「J1である程度できる予測があったが、レベルの高さに読みの甘さがあった。私の至らなさ。J2に戻るのは私の責任」。井原監督が厳しい表情で話した。守備に課題を抱える今季を象徴するワースト5失点。日本代表DFとして「アジアの壁」と名をはせた指揮官が最後まで守備に泣いた。

 5季ぶりに戦うJ1に備え井原監督は、昨季の好成績を支えた戦術や、試合の流れに応じて併用する4バックと3バックからのカウンターを軸に精度向上を図った。だが「相手の動きを想定し、警戒しても失点を繰り返す。人数がいても一瞬の隙をやられる。それを修正しきれなかった」。横浜から移籍したベテランMF三門が「パス判断などイージーミスが多い」と言うように力の差は歴然で、わずか4勝。鈴木強化部長が「昨年より増えたがJ1で下位」と言う選手年俸で戦力も整わなかった。

 06、11年に続き、1年でJ2に逆戻りする。井原監督について川森社長は「一生懸命やってくれている」と言い、続投については「公式戦を戦い抜き、それから」と白紙とした。進退について明言しなかった指揮官は「残り3試合、降格は変えられないが順位は変えられる。最下位で終わらず、少しでも順位を上げたい」と戦う姿勢は失っていなかった。【菊川光一】

 ▼J1昇格プレーオフ勝者の成績 福岡の来季J2降格が決定した。福岡は昨季J2の3位で、J1昇格プレーオフを制して今季J1に昇格した。これで13年の大分(前年J2で6位)、14年の徳島(同4位)、15年の山形(同6位)に続いて4年連続でJ1昇格プレーオフ勝者が1年でJ2へ戻ることになった。