J1残留を争う磐田が、ベテランのひと言で戦闘モードに突入した。御殿場市でのミニキャンプ最終日の20日、次節アウェー名古屋戦(22日)に向けた紅白戦の直前に選手全員が輪になった。元日本代表MF松井大輔(35)が提案し、選手ミーティングを実施。木々に囲まれた静かなグラウンドで松井が口を開いた。

 「(今季)残りの3試合で、自分たちの未来、将来が決まる。人生が懸かっている。全員が同じ気持ちでやらないといけない。みんなで頑張ろう」

 瞬間、全選手の顔つきが変わった。試合では紅白の両チームから大きな声が飛び、激しい内容となった。松井は言った。「最近、紅白戦の内容が良くなかった。自分は酸いも甘いも経験しているので、話すことで雰囲気がピリッとなればと思った」。

 自身は控え組でプレーする悔しさを味わいながらも、チームのために思いを伝えた。主力組のボランチに入ったMF上田康太(30)は「(名古屋戦は)クラブにとっても、自分たちにとっても大きな試合。松井さんの勝者のメンタリティーを見習わないといけない」と言った。気持ちは1つ。全身全霊で決戦に臨む構えだ。【保坂恭子】