浦和が超満員のサポーターの後押しで「史上最強」の称号を勝ち取る。29日に磐田に勝って第2ステージ優勝を決めたこともあり、11月3日のリーグ最終節横浜戦(埼玉スタジアム)の前売り券は、早くもほぼ完売した。勝てば自力で年間勝ち点1位を決め、史上最多の勝ち点76にも達する。6万人に迫るホームの大観衆の前で快挙を成し遂げ、年間王者を懸けたリーグチャンピオンシップへ弾みをつける。

 大原サッカー場で行われた浦和の練習には、数百人のサポーターが詰め掛け、選手、スタッフに祝福の声をかけた。選手たちは手を振って応えたが、気持ちはすでに年間勝ち点1位、そしてリーグチャンピオンシップ制覇へと向いていた。

 選手会長のMF宇賀神は「新聞の紙面には『失速の浦和の汚名を返上』とありましたが、選手はまだ誰も返上できたとは思ってません」と表情を引き締めた。「次のホーム戦で横浜に負けたら、年間勝ち点1位は取れない。リーグチャンピオンシップで1つ負けたら去年と同じ。僕らはまだ何も手にしてないんです」。

 横浜戦の前売り券はすでに約5万9000枚が発券された。近年は柱や安全バーで視野が少しでも確保できない席は販売せず、緩衝帯も多めに確保するため、スタジアムの収容人員6万3700人に迫る発券はしない。5万5000人を超えれば、10年5月15日名古屋戦以来となる。

 久々の超満員が予想されるのも、公式戦11連勝の快進撃があるからこそ。その流れの良さを重視し、心身のコンディション保持に万全を期するため、今日31日は急きょ練習をオフにすることになった。クラブスタッフは「プロ野球では日本ハムが10年ぶりに日本一になりました。うちも勝てば10年ぶりですよね」とニヤリと笑った。【塩畑大輔】

 ◆年間勝ち点1位の行方 決定は11月3日の最終節で、浦和は勝てば無条件でCS決勝へシードされる年間勝ち点1位が決まる。なお、ACLの出場権は来季も同大会の出場枠が現行方式のままなら、天皇杯の結果次第でリーグ年間4位も可能性が残る。