5年ぶり11度目の出場となった静岡産大(東海第1代表)が、初戦を突破した。IPU・環太平洋大(中国第1代表)に3-0で快勝した。後半24分、MF藤田脩人(3年)が左足で先制。その後は堅守で無失点に抑えた。2回戦は11日、元磐田監督の鈴木政一氏(61)が率いる日体大(関東第3代表)と対戦する。

 全国の大舞台でも、静岡産大はひるまなかった。5年ぶりの出場で、全選手が初の大舞台。試合前、声をかけ合った。「みんなで楽しもう!」。

 後半24分、こぼれ球を拾った藤田がそのまま仕掛け、利き足ではない左足を振り抜いた。浜松湖東高時代を含めて、全国大会出場の経験はなし。それでも、伸び伸びとプレーして値千金の先制点を挙げた。「まさか決められるとは。びっくりです。あざっす」。

 同35分にはFW斉藤要(4年)が続き、同42分にはFW栗田マーク(1年)がスピードに乗ったドリブルで相手DFを振り切り、ダメ押しの3点目。相手に攻め込まれる時間帯もあったが、東海リーグ最少失点を誇る守備ではねのけた。主将のDF新村一輝(4年)は「いつも通りに体を張って、守りきることができました」と胸を張った。

 9月に急性心筋梗塞で倒れ、手術をした成嶋徹監督(55)は、復帰後初めてのベンチ入り。前半はテクニカルエリアに立って大声で指示を飛ばしていたが、「酸欠気味で」と後半はベンチに座って戦況を見守った。「まず初戦に勝てて、ホッとしました。選手はよく持ちこたえて反撃した。持ち味が出せました」。

 2回戦では日体大と対戦する。新村は「今日はみんなで喜べてうれしかった。次も思いをぶつけたい」。東海王者としての誇りを持って強豪に挑む。【保坂恭子】