北陸(福井)が立派に敗れ去った。

 前半6分にFKからヘディングシュートを決められて先制を許したが、集中力を切らさずに追加点を与えなかった。後半は高い位置からプレスをかけてボールを奪い、FKなどセットプレーで決定機も作った。

 松本吉英監督(56)は「前半の早い段階でセットプレーでやられましたけど、あそこから崩れず、勢いを盛り返した。感動しました。今日のゲームは生涯忘れられません」と選手たちをたたえた。

 S級ライセンス保持者の松本監督だが、一方で柔道3段、剣道2段、極真空手初段という武道家でもある。

 日ごろから選手たちには「相手に勝つのではなく、自分に勝て」と武士道の精神を教え込んでおり、この日の試合後も「武士道とは立派に戦い、立派に勝つ、そして立派に負ける。恥じるところは何もありません。北陸の心意気を示せた」とうなずいていた。【千葉修宏】