今季からJ3に初参戦する沼津が12日、沼津市内の練習場で始動した。元日本代表FW中山雅史(49)ら、25選手が約1時間のメニューを消化。静岡県内ではJ1清水、磐田、J3藤枝に次ぐ4チーム目で、東部では初となるJクラブ誕生に、行政や地元企業もサポートする機運が高まっている。

 沼津がJクラブとしての第1歩を踏み出した。午前8時30分過ぎからミーティングを行い、9時から練習開始。諸事情で欠席した3選手を除く、25選手は体幹トレーニングを終えると、パス回しを始めた。

 今年で就任3年目の吉田謙監督(46)は、ひときわ声を張り上げて選手らを鼓舞した。そして、練習後は充実した表情で振り返った。「天候にも恵まれて、いい練習になりました」。指揮官は個別で自主トレに励む選手にも付き添い、熱心に指導を続けた。

 県東部地区初のJクラブ誕生に、地元の支援態勢が整いつつある。沼津市は、一昨年から広報紙で定期的にクラブの活動ぶりを紹介。今年はさらに充実した内容で継続するという。クラブスポンサーの地元企業数社は、今季増額投資の方針を示しており、クラブ関係者は「試合会場の看板やバナーなどを出していただける企業も増えそうです」と話している。選手は結果で応える覚悟だ。昨年副将のFW鈴木淳(29)は「東部はサッカー不毛の地と言われますが、結果次第で下の世代も活性化すると思う。東部の代表として戦いたい」と闘志を燃やした。

 クラブはJ2ライセンスを取得しておらず、18年シーズンでの昇格はないが、吉田監督は「目標は優勝です。最低でも5位以内に入りたい」と言った。今月下旬には高校生との初実戦を予定。下旬には県内でミニキャンプを行う。クラブの開幕戦は第2節(3月18日)になり、ホームで福島と戦う。約2カ月後の初陣に向けて、着々と準備を進めていく。【神谷亮磨】