G大阪が3年連続9度目の本大会出場を決めた。マレーシアのジョホール・ダルル・タクジム(JDT)に3-0で完勝。昨季までの主力に、新戦力のDF三浦弦太(21)とファビオ(27)のセンターバック(CB)が融合した。攻守で安定感が増し、長谷川健太監督(51)も「新しい色が出た」と満足そう。08年以来のアジア制覇に向けて、順調なスタートとなった。

 新生ガンバが最高の形で船出した。気温2度と凍えるような寒さの中、選手の気持ちはどんどん熱くなっていった。前半26分、MF今野の左クロスにFWアデミウソンがヘディングで合わせて先制。3分後に左足で決めたFW長沢は「不安はあったけれど、点を取れて良かった」。2トップがそろって結果を出した。

 最大の収穫は、清水から加入の三浦と横浜から加わったファビオの新CBコンビだ。先発起用に応え、アルゼンチン代表として11年のU-17W杯で日本を苦しめたFWフェレイラを、きっちり抑えて完封に貢献。三浦は後半25分に、MF遠藤のCKから頭で移籍初ゴールとなる3点目も決めてみせた。「出来過ぎデビューかな」と満足そうな笑みも納得だった。

 今季は大きな補強が実現せず既存の戦力が中心だ。この試合のために例年より1カ月近く早く公式戦を迎え、急ピッチ仕上げに不安もあった。そんな中、三浦の広角の長いボール、ファビオのペナルティーエリア付近に出すパスは攻撃を活性化させた。長谷川監督も「新しい色が出た。いい攻撃のスイッチが、CBから出るようになった」と満足そうな表情を見せた。

 ACL優勝を目指した昨年は、2敗4分けと未勝利のまま1次リーグ敗退だった。指揮官は「一昨年はベスト4。昨年は1勝もできずに地獄を味わった。あの経験を生かしたい」と意気込む。22日にはアデレード(オーストラリア)との1次リーグ初戦が待ち受け、遠藤は「次の試合に集中したい」。08年以来9年ぶりのアジア制覇を目指す新たな戦いに向けて、G大阪がスタートを切った。【小杉舞】

 ◆今季のACL本大会 21日に開幕。1次リーグは出場32チームを8組に分け、各組2回戦総当たりのリーグ戦を行う。A~D組は西地区、E~H組が日本など東地区のクラブで構成される。各組上位2チーム(計16チーム)がホームアンドアウェー方式の決勝トーナメントに進出。準決勝までは東西の地区による対戦は行われない。決勝は11月18、25日。優勝クラブはAFC代表として12月にUAEで開催されるクラブW杯に出場できる。

 ◆Jリーグ勢のACLプレーオフ 14年までの出場枠4が15年から3・5枠となり、プレーオフが実施されるようになった。15年は柏が延長の末に3-2でチョンブリ(タイ)を破り、16年は東京が9-0でチョンブリに圧勝して本大会出場を決めている。