札幌のチーム最年長のMF河合竜二(38)が、プロ21年目のシーズンに挑む。熊本2次合宿3日目の11日、チームはパスゲームやセットプレー確認を行い、午後からは熊本市内で選手会主催のサッカー教室を開催した。熊本地震からの復興支援にも力を入れてきた河合は、子どもたちとふれ合い、5年ぶりのJ1舞台へ思いを新たにした。

 震災から立ち上がろうとする子どもたちの姿に、河合にも気合が入った。時には真剣にボールを奪い、そしてハイタッチやおちゃらけた姿を見せ、充実のひとときを過ごした。震災直後、募金活動を発案するなど復興支援に積極的に取り組んできた。被災地でのサッカー教室もチーム初の試みで、「選手としても力になれたら」と思いを口にした。

 97年に浦和でプロ入りし、ついに21年目のシーズンに入る。今合宿は「今のところ順調」と表現し、順風満帆にメニューをこなしている。新加入のメンバーに関しても、「即戦力ばかり入って来てくれたので、昨年のベースの中どれだけ融合できるか」と期待感を抱いた。

 札幌では加入したばかりの11年に主将を務め、昇格と降格をともに経験してきた。MF登録ながら、主にセンターバックを任される。DF増川が長期離脱。新加入のMF横山やMF菊地が台頭し、ポジション争いが激化する。それでも「選ぶ選ばないは監督次第。ケガなく良い準備をしていくだけ、チームとして勝てるように頑張りたい」と冷静に話した。

 自身にとっても5年ぶりとなるJ1の舞台に「楽しみでしょうがない」と思いをはせる。「まだまだやれるというのをファンやサポーターに見せたい。チームにとってプラスになれるよう、日々向上心をもってやっていきたい」。開幕まであと13日、最年長38歳が、まだまだ貪欲に突き進む。【山崎賢人】