J2山形が12日、湘南と今季初となる同じJ2勢との練習試合を平塚市内で行い、3-2(45分×4本)で勝利を収めた。先発11人中、新加入9人が名を連ねた主力組は1、2本目に出場。1本目14分にMF南秀仁(23)が先制点を決め、同30分にはMF風間宏希(25)が追加点を奪い2-1(2-0、0-1)と快勝した。あと2週間を切った26日の京都との開幕戦を前に、攻守両面でダイナミックに生まれ変わった新生山形の力量を示した。

 新生山形の未来を示した45分だった。1本目、昨季までJ1にいた湘南を多彩な攻撃で圧倒し続けた。先制点は風間の縦パスを中央で受けた南が左足で決め、追加点は左サイドの崩しから、中にいた風間がゴール右隅上に決めた。中も外も自在に操って1得点1アシストの風間は「リーグ上位に行くには練習試合とはいえ、簡単に負けられない。もっとゴール前に顔を出していきたい」と満足する様子を見せなかった。

 昨年まで山形のコーチだったミスターモンテディオも脱帽するしかなかった。今季から湘南に移籍した高橋健二ヘッドコーチ(46)は、古巣との初対戦を終えて警戒心を強めていた。

 「システムは昨年と一緒(3-4-2-1)だけど、人が入れ替わって攻守にパワフルになっている。両サイドからゴリゴリ攻め込まれた。昇格を争う上で、手ごわい相手になる」

 今季の最大の武器が両サイドだ。左ウイングバック(WB)のDF高木利弥(24)は縦に速い仕掛けで突破し、右WB鈴木雄斗(23)はFW仕込みの中央に切れ込むドリブルでかき回す。パス供給役のMF本田拓也主将(31)は「トシ(高木)は裏に抜けるスピードがあって、雄斗はボールを持てる。力強い左に、うまさの右ですかね」とタイプの違う両翼を評価した。

 2本目から選手を交代させた湘南に対し、90分同じメンバーで戦った山形はCKから1失点。体力が落ちた場面で相手にボールを回されるも、必死にしのいで粘りを見せた。木山隆之監督(44)は「後半(2本目)はよく修正した」と守備面での奮闘をたたえつつ「仕上がりは50点。もっとレベルを上げたい」と全体の成長を促した。1つ残された練習試合で最終調整し、開幕戦では新生山形が、勝利する。【高橋洋平】