<渡辺監督一問一答>

 -キャンプの手応えは

 渡辺監督 公式戦をやってみないと、成果がどうだったかは言えないと思う。ただケガ人も少なく、新しいことに選手が真摯(しんし)に取り組んでいることに関して言えば、非常に順調だった。

 -10日のヴァンフォーレ甲府戦(45分×4本)では、4本目に選手に予告なしで3-5-2に変更した

 渡辺監督 対応力はついた。ぱっとシステムを変更して、順応性を発揮してくれている。そのあたりは成長していると思う。

 -「堅守賢攻」を進化させるための新布陣3-4-3。課題のカウンター対策は

 渡辺監督 昨季はオープン(選手同士の距離が間延びした状態)での失点が多かった。今のところ、カウンターでピンチを招いたこともあった。甲府戦(10日)も、FWウイルソンにクロスバーをたたかれた。あれが1本決まってしまえば、もしかしたら勝ち点を逃してしまうことになりかねない。映像を見て、選手に細かい指示も出した。

 -ここ3年でボール保持率が上がっている

 渡辺監督 ボール保持率が高ければ勝利に直結するというわけではない。でもなぜそれに取りかかるかと言えば、ボールを握ることでゲームの主導権を握りたいから。「堅守速攻」をとぎすませば、12年(リーグ2位)のように上位にいく可能性もあると思う。ただ一緒に戦っていて、自分たちが攻撃する時間を増やさないといけないと感じた。おそらく誠さん(手倉森誠・元監督)も、その思いから13年は攻撃的なことにチャレンジしたと思う。堅守速攻だけを磨いてチャンピオンになれた(プレミア1部の)レスターは、プレミアで何年後にチャンピオンになったか。俺は120年の奇跡を待つのか。なら自分たちが主導権を握ることで優位に進めて得点を奪いに行く。根底にボールを握れるというものがないと、粘り強さや我慢強さは手にできないと思う。

 -昨季は開始15分で9失点と立ち上がりが悪かった

 渡辺監督 ウオーミングアップから変えていかないといけない。

 -4月に強豪と4連戦

 渡辺監督 去年も同じようにリーグ戦で強豪クラブと連戦があった。そこで我々は真っ向勝負でぶつかって、結果的に連敗を喫した。今、自分たちは新しいチャレンジをやっている。どれくらい自分たちがやれるのかを試す絶好の機会。

 -昨季はホームでのリーグ戦で7勝10敗

 渡辺監督 負けない仙台を取り戻さないといけない。辛抱強く戦い、勝ち点1でも泥臭く取っていく作業も必要になる。1年を通して難しい時期も当然あると思っているので、サポーターの皆さんに鼓舞して欲しい。そういう時こそ俺たちは強くあるんだという姿を必ずお見せする。ぜひ選手たちの躍進を信じて熱いエールを送って欲しい。

 -目標はトップ5

 渡辺監督 つかみとりますよ、何としても。2年ぶりの目標なので、そこに食い込んでやろうという思いはある。(聞き手=秋吉裕介)