横浜FCのFWカズ(三浦知良、49)の50歳の誕生日、明日26日の松本山雅FCとのJ2開幕戦(ニッパツ)がJリーグ最大級の注目度で行われることが24日、分かった。Jリーグとクラブは昨年の浦和レッズと鹿島アントラーズのJ1チャンピオンシップ(CS)決勝に匹敵する約300人の報道陣の来場を想定。これは国内での日本代表戦レベル。ドイツを筆頭に欧州メディアも取材に訪れる歴史的な一戦となる。

 史上初の50歳Jリーガーのバースデー開幕戦、その瞬間が近づいてきた。24日、カズは横浜市内でのチーム練習に参加。冒頭以外、非公開で行われた戦術練習を終え「昨日今日になって疲れも抜けてきて、いい感じ。スタメンで出られたらベストを尽くすだけ。どの試合もゴールを取りたいと思っている。開幕戦もその中のひとつ。いつもと変わらず狙っていきたい」と決意を口にした。

 ずっと注目されてきたキングだが、先発が有力視される開幕戦は別格だ。練習場のピッチに足を踏み入れる瞬間から地上波すべてのテレビ局がカメラで追い掛けた。J1開幕前日にもかかわらず報道陣は30人超。この日、Jリーグで最もホットなスポットは、開幕までまだ2日あるものの、カズのいる横浜だった。

 Jリーグとクラブは松本戦に300人の報道陣の来場を想定し、準備に余念がない。リーグと日本協会からも“助っ人”が参戦予定。徹底して準備を進めるクラブ主導で、受け入れ態勢を整える。報道陣300人は昨季のJ1王者を決めるCSレベル。国内で行われる日本代表戦に匹敵するレベルだ。Jリーグと代表戦は取材許可証の枠の制限が違い、単純比較はできないが、注目度は日本サッカーで最も重要な一戦、少なくともJリーグ最大級だ。

 世界も熱い視線を注ぐ。ドイツを筆頭に欧州の複数国メディアも来場予定。すでに前売り券は完売。ニッパツでの横浜FCの主催試合の最多観客記録、13年8月ガンバ大阪戦の1万2490人の更新も確実となっている。注目されればされるほど燃えるのがキングカズ。バースデーゴールからのカズダンスが期待される千両役者は「これだけ皆さんに注目していただいたら、盛り上がらないわけがない」とニヤリ笑った。【八反誠】

 ◆国内サッカーの報道陣の数 浦和と鹿島がJ1の年間王者を争った昨年CSを取材した報道陣はカシマでの第1戦が276人。続く埼玉での第2戦が380人だった。日本代表戦では昨年11月の大一番、W杯アジア最終予選サウジアラビア戦で埼玉に約400人。通常、国内で行われる国際Aマッチでは平均して約300人の報道陣が会場で取材をしているという。