J3リーグが、11日に開幕する。昨季クラブ史上最高の7位だった藤枝MYFCは、J2FC町田ゼルビアからMF大竹隆人(28)ら経験豊富な即戦力11人が新加入。選手層も厚くなり、今季は5位以上を目標に掲げて、攻撃的な“藤枝スタイル”を貫く。アスルクラロ沼津も昇格したため、J3での静岡ダービーで地元を盛り上げる。

 藤枝に加入し、新境地を開いた。大竹が開幕前の練習試合で入ったのは、1トップの1列後ろでプレーする“シャドーストライカー”だ。本職は守備的MFで、サイドハーフの経験はあるが、3トップの一角に入るのは「サッカー人生で初めて」という。スピードと、足元の高い技術が特徴。ミスが少なく、90分間動き続けられる運動量も魅力だ。前線からの積極的なプレスと、縦に速い“藤枝スタイル”にも順応している。「シャドーは、とてもおもしろい。自分の持ち味を出して、前線で得点にからみたい。チームの結果に貢献したい」と意気込む。

 町田時代には、J3だけでなくJ2でもプレーしており、経験は豊富。以前から大竹のプレーに注目し、獲得を熱望していた大石篤人監督(40)は「ボールが収まるし、失わない。のびのびやってほしい」と期待している。

 昨季のチーム総得点48点はリーグ2位だったが、今季はさらに190センチのFW土井良太(29)、カンボジア代表FWチャン・ワタナカ(22)ら得点力の高い選手が新加入。昨季の主力がほぼ残り、即戦力が加わったため昨年の7位を超える目標「5位以上」も射程圏だ。大石監督は「戦力がかみ合えば、さらに上が見えてくる」と話す。

 沼津がJFLから昇格したことで、J3でも静岡ダービーが開催される。大竹は「先にJ3に加入した藤枝のプライドがあるので、みんなで地元を盛り上げていきたい」。藤色軍団が、J3で旋風を巻き起こす。【保坂恭子】

 ◆大竹隆人(おおたけ・りゅうと)1988年(昭63)6月29日生まれ、東京都出身。三菱養和SC巣鴨ジュニアユースから三菱養和ユースを経て、国士舘大へ進学。11年から当時JFLの町田に加入し、J2とJ3を経験。女優大竹しのぶは叔母。170センチ、66キロ。利き足は右。血液型A。