ミスターアルビレックスが白星へ道筋をつける。アルビレックス新潟は12日、クラブハウスのピッチで練習を行った。

 MF本間勲(35)はリーグ戦第3節清水エスパルス戦(11日・デンカビッグスワンスタジアム)で出場機会がなかったメンバーらとともに汗を流した。練習後は三浦文丈監督(46)とチーム状態について話し合うなど、存在感を見せた。ルヴァン杯サガン鳥栖戦(15日・ベストアメニティスタジアム)、リーグ戦第4節横浜F・マリノス戦(18日・日産スタジアム)と連戦の中、今季公式戦初勝利を挙げて勢いをつかむため、ベテランの司令塔がけん引する。

 実戦感覚は鋭い。ベテランのボランチ本間は練習の中でも見せ場をつくる。7対7の試合形式、ボールを奪うと前線に縦パス。FW平松宗(24)のゴールをアシストした。ゴール前の混戦から折り返しのパスをもらった場面では、シュートをきっちり決める。

 「コンディションはいいです。しっかりアピールしたい」。J3栃木から2年半ぶりに復帰した今季、開幕から3試合ベンチ入りしているが、ピッチに立ったのは後半途中出場した第1節広島戦のみ。第3節清水戦は、13年以来のデンカビッグスワンスタジアムでのプレーはかなわなかった。ただ、栃木ではJ2、J3合計76試合に出場。勝負勘は十分にある。まずルヴァン杯鳥栖戦、第4節横浜戦での出番をうかがう。

 存在感は絶大だ。この日の練習後、三浦監督が本間に声をかけた。「清水戦について、外から見ての感想を聞かせてくれ」。指揮官の問いに、FWホニ(21)に長いパスを出すときの周囲のサポートの必要性を話した。

 清水戦の直後には、同じボランチの新人MF原輝綺(18)に、ボールを奪った後のプレーについてアドバイスした。出番は少なくても、できることを惜しまず行う。そんな姿勢は勝ち点3を前にあえぐチームを精神的に支えている。

 三浦監督は「ルヴァン杯では7人くらい入れ替えるかもしれない」と横浜戦との2段構えを示唆。本間に実力発揮の場が巡ってくる可能性は高い。「どの試合でも出場のチャンスを狙う。早く勝ちたいです」。我慢の時期が続くチームを、ベテランが活性化させる。【斎藤慎一郎】