日本がパラリンピック4連覇中の王国ブラジルを相手に攻撃的なサッカーを見せた。

 日本は入場制限まで出る1000人を超す観客の前で、果敢に相手陣でゲームを展開。1点をリードされた前半15分過ぎにはFP川村怜主将(28)のパスから右サイドを崩し、FP黒田智成(38)が同点ゴールを決めた。

 スコアは1-4と完敗だったが、黒田は「負けたのは悔しいが、意図した攻めはできた」と話した。

 リオパラリンピック出場を逃した後に就任した高田敏志監督(49)は「攻撃的にいって前がかりになったところでカウンターを決められたが、チャンスは作れた」と前向きに話した。これまでの「堅守速攻」から攻撃重視への大胆な方向転換。「相手ゴール近くでサッカーをすることを徹底してきた。その方が、楽しめますから」と言った。

 開催国として出場する東京パラリンピックに向け、チームの掲げる目標は「金メダル獲得」。ブラジルとの差はあるが、高田監督は「1対1の局面で負けないこと。3年後までにブラジルに勝てるところまで持っていきたい」と話す。「攻撃的にいくと的確な状況判断も求められるから大変。でも、すごくおもしろい」と黒田は笑顔。「ホームの東京大会では、いいサッカーをしたい。点を取って、圧倒的に勝ちたい」と話していた。