INAC神戸が弔い星をささげた。2月14日に愛媛県内で起きた交通事故で、07~08年に所属した田村奈津枝さんが34歳で死去。試合前に黙とうを行った。かつて率いた日テレで田村さんと一緒に戦った松田岳夫監督(55)は「彼女が亡くなった時にも黙とうをした。みんなが共通した思いを持っていた」と落ち着いた口調で話した。

 試合は後半7分にMF京川が先制ゴール。重苦しい空気を打破し、MF中島、FW大野の追加点で引き離した。前線で精力的に動いた33歳の大野は「今日だけじゃなく、シーズン通してハードワークできるようにしたい」。指揮官は「開幕戦は難しいと思っていたけれど、その通り難しかった。課題はたくさんあるけれど、今日はみんなのベストな力が出た」と安堵(あんど)の表情を見せた。