J2湘南ベルマーレMF石原広教(18)が、今季初出場&初先発を果たした。今季はベンチ入りすらしていなかったが、FW高山薫(28)が右ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷で全治8カ月と診断され、離脱したことを受けて大抜てきされた。

 前日8日に、曹貴裁監督から先発を告げられた。その後、高山からLINEで「本当に頑張れ」などとメッセージが送られてきたという。「薫君以上のプレーは出来ないですけど、自分がやれる全力は出していこう」と心を決めた。

 この日は、高山と同じ2列目左に入った。東京ヴェルディのMF高木大輔とのマッチアップとなり、「運動量で負けない」という思いで、左サイドのアップダウンを繰り返し、体をぶつけて高木の前進を封じ、後半32分までプレーした。

 小学生時代に湘南ベルマーレジュニアに加入し、トップまで昇格した生え抜きで、高校3年だった16年にトップチームに2種登録され、今季、昇格した。曹監督は「普段、全く褒めたことがない。ただ、小学校からうちにいる子で、湘南の選手として何をしなければいけないかが、他の人より確実に分かっている。そういう気持ちを買った」と石原を先発起用した理由を語った。

 石原は、曹監督が「プレーは、まだまだお粗末ですが、今日の気持ちを持ってやれば、いい選手になると確信している」と語ったと聞くと、真剣な表情になり、一呼吸置いた。そして、曹監督体制になって初めてMF神谷優太(19)、DF杉岡大暉(18)と、10代3選手が先発に名を連ねたことを踏まえ「10代を並んで出してくれる監督は、なかなかいない。やらなきゃいけない。監督とチームの期待に応えたい。今日は素直に頑張れて良かった」とかみしめるように語った。【村上幸将】