元JリーガーGKが視覚障害者らによる5人制のブラインドサッカー日本代表の強化指定選手に選出された。

 日本ブラインドサッカー協会は11日、今月より元東京GKの榎本達也(38=現東京アカデミーコーチ)が日本代表強化指定選手に加わったことを発表した。今月15、16日に千葉市で行われる強化合宿に参加する。

 97年に横浜入り。元日本代表GK川口の陰に隠れて3年間出番がなかったが、長身を生かしたハイボールの強さと精度の高いキックを武器として04年には2年連続Jリーグ年間優勝に貢献した。昨年12月に現役引退を発表した際、真剣にサッカーと向き合ってきたことに「後悔はない」としたが、20年間のプロサッカー生活については「後悔ばかりです」とコメントしていた。今年2月のブラインドサッカー強化合宿には練習生として参加していた。

 ブラインドサッカー日本代表は15年アジア選手権で4位に終わり、パラリンピック初出場を逃した。当時GKコーチだった高田監督が15年11月に監督に就任し、強化体制を一新。技術、メンタル、フィジカルなどの健常者の知見を取り入れたサッカーを目指している。20年東京パラリンピックを見据えて、高田監督が人材発掘した際に榎本に白羽の矢が立った。

 この日、榎本はクラブを通じて「ブラインドサッカーという新しい挑戦ではありますが、自分の持てる力を最大限発揮し、東京2020パラリンピックのメダル獲得に貢献できるよう全力で頑張っていきたいと思います」とコメントを発表した。