北海道コンサドーレ札幌は首位の浦和レッズに2-3で敗れ、今季アウェー4戦全敗となった。1点を追う前半34分、MF兵藤慎剛(31)が同点ゴールを流し込み、敵地での今季チーム1号をマーク。1-3の後半42分には、DF福森晃斗(24)がゴールまで22メートルのフリーキック(FK)を直接決めて1点差に詰め寄ったが、及ばなかった。次節30日は、敵地で5位の磐田と対戦する。

 ようやく、敵地のゴールネットが揺れた。前半20分にコーナーキック(CK)から先制を許した札幌は、同34分、相手ディフェンスラインの裏に飛び出したMF兵藤が同点ゴール。FW菅が頭で送ったパスを胸でトラップすると、ボールのコースを微妙に変えてマークをかわし、左足でゴールへ流し込んだ。兵藤は「自分の得意な形で、ボールを受けることができた」。開幕からアウェー3試合で続いていた無得点を、ようやく止めた。

 1-3の後半42分には、DF福森がMF小野とのサインプレーで、ゴールまで22メートルのFKをダイレクトで決めた。低い弾道に、蹴った本人は「蹴った瞬間、壁に当たっちゃうかと思ったけど…」と不安もよぎったそうだが、結果的に5人の壁の間を抜いてゴール右下隅へ。小野のFKを警戒した相手守備の裏をかき「あの場面は自分が蹴ると決めていた。日本代表GK(西川)から決められて、自信になった」と、手応えを口にした。

 スコアだけを見れば首位相手に奮闘も、敵地では開幕から4戦全敗となった。兵藤は「惜しい試合をしても、負けは負け。残留のためには、アウェーで勝ち点を取っていかないといけない」と、険しい表情を崩さない。埼玉スタジアムを埋めた3万6880人の観衆に「雰囲気にのまれて、前半は“らしさ”が出せなかった」と悔やんだ背番号6は、長年J1で積んだ経験をもとに「こういう雰囲気をチーム全体で楽しめるようになれば、もっともっと成長していくはず」とみる。次節は30日磐田戦(ヤマハ)、再びアウェーの試練が続く。【中島宙恵】