町田ゼルビアの相馬直樹監督(45)は、16年にJ1で戦った湘南ベルマーレ相手に前半、主導権を握った試合を「どうなるんだろうとワクワクというか、ドキドキが、今日のピッチには、たくさんあった」と評価した。一方で、1勝1敗で迎えたゴールデンウイーク3連戦最後の試合だったこともあって後半、失速し「連戦の戦い方を考える必要があった」と勝ちきれなかったことを反省した。

 シュート数6対0の数字からも明らかなように、前半は“湘南スタイル”と呼ばれる、縦に速い攻撃サッカーが売りの湘南を、むしろ攻撃で圧倒した。「立ち上がりからチャレンジャーとしてアグレッシブにいき、相手のリズムを崩しながら自分たちの時間を作れた」と語るように、球際で激しくぶつかってボールを奪い、セカンドボールも制し試合をコントロールした。

 それが、後半は主導権を奪われた。相馬監督は「前半、うちのリズムで戦う中で、うちが飛ばして相手が走らない中、試合が流れた。後半は連戦の体力含め、懐が開き始め、攻撃の時間が、だんだん作れなくなった」と分析した。

 それでも、早大ア式蹴球部の3年先輩にあたる、曹監督が率いる湘南に、攻撃で真っ向勝負を演じた手応えは確かにあった。「前の年、J1で戦ったチームに自分たちが今、出来ることをぶつけて戦った。最後、苦しみながらドローになったが前半、自分たちの時間に取れるか取れないかが今後、大事になってくると痛感した。取れたら、変わったと思う」と、今後に可能性を見いだした。

 一方、曹監督は相馬監督について「僕が4年の時、1年生によくしゃべる後輩が入ってきたなと思って、その後、代表まで行ってすばらしいチームを作っていると思うんですけど…彼が監督で僕が選手だったら、萎縮して何も出来ないかな」とジョーク混じりで評した。その上で「クリーンにファイティングスピリットを出されて、難しい試合になった」と相馬監督の手腕を評価した。【村上幸将】