ジュビロ磐田は、最下位のアルビレックス新潟から勝ち点1を奪った。後半ロスタイムに、MFアダイウトン(26)がヘッドで同点ゴールを決めた。

 1-2の後半ロスタイム、ゴール左の位置でFKを獲得。このラストチャンスに、途中出場のMF上田康太(31)が柔らかいタッチのキックを中央に放ち、アダイウトンが頭から飛び込んだ。貴重な2試合連続ゴールで「ゴール前にチームメートが10人いた。この『絶対に負けたくない』という気持ちが、ボールにも伝わったと思う」。言葉通り、チームの思いを乗せたシュートは、ゴール左隅に突き刺さった。

 新潟は「負ければJ2降格決定」の状況で、序盤から必死だった。その勢いに押され、磐田イレブンは球際で後手に回り、セカンドボールを拾われた。前半25分に先制され、1-1の同ロスタイムには、MF中村俊輔(39)のボールロストから勝ち越しを許した。名波浩監督(44)も「良く言えば、よく追いついた試合」と総括したほど、苦しみ抜いた一戦だった。

 だが、劣勢の中で負けなかった事実も大きい。残り4戦。ACL圏3位以内に入る望みもつながっている。殊勲のアダイウトンは「この(勝ち点)1を前向きに捉えて、また最善の準備をしていきたい」と言葉に力を込めた。【前田和哉】