<半端ない青春~高校サッカー・クローズアップ>

 敗れた矢板中央(栃木)イレブンにスタンドから声援を送ったDF中山拓人(ひろと、3年)のフィジカルが半端ない。170センチ、80キロの体格でベンチプレス130キロのパワーを誇る一方、50メートル走を5秒8で駆け抜ける。パワーとスピードを兼ね備え、大学は未経験のラグビー推薦で立正大(関東大学リーグ戦2部)への進学が決まっている。スタメンを勝ち取れなかった中山は「このまま終わりたくないという気持ちが強かった」と、ラガーマンの道を選択した。

 知り合いの紹介で昨年6月に立正大のトライアウトに参加。初めての楕円(だえん)球を手に夢中で走り、体をぶつけた。1週間後、合格を通知された。元日本代表の堀越正巳監督は「強いし速い。楕円球に慣れればキックもできる。活躍できると信じている」と高く評価した。まずはWTBでプレーするという中山は「やるからには上を目指したい」と目標は高く、日本代表入りに挑戦する。