2位川崎フロンターレがエースFW小林悠(30)ら7人による7発で北海道コンサドーレ札幌に大勝した。MF阿部、家長、中村の2列目も得点し、前線4人が初めてそろい踏み。MF大島はけが明け、日本代表に招集されたMF守田がけがで離脱する中、代役のMF下田が移籍後初先発で初ゴールなど得点ラッシュの「等々力劇場」となった。1試合消化が少ない中、首位サンフレッチェ広島との勝ち点差を6に縮め、逆転での連覇へ勢いが付いた。

連覇のために負けられない一戦で川崎Fの攻撃力が爆発した。ミーティングで鬼木監督は「ここから、全部勝っていくよ」と鼓舞。前半28分にMF家長のゴールで均衡を破ると、MF中村、MF阿部、移籍後初出場初先発のMF下田と得点が止まらない。後半13分にはFW小林が高い位置でボールを奪い、そのままドリブルで運んで左足シュート。前線4選手の初のそろい踏みで7発と快勝した。

小林は11日の日本代表のコスタリカ戦で黒子になってMF堂安、南野ら若手の好機を演出した経験を生かした。川崎Fで絶大な信頼を得ているストライカーだが、前半30分の中村へのアシストなど味方を使うプレーも光った。後半28分に交代するまで3点に絡み「ポストプレーでも失う場面がなかったし、代表でいいイメージがあって自信を持ってやれた」。さらに「2列目の選手が点を取ることで相手もマークを絞りづらくなるし、自分もフリーになるチャンスが来る。もっとアシストもゴールも増やしたい」と胸を張った。

1日に下位のガンバ大阪に敗れ、MF大島が負傷し日本代表を辞退。リーグ中断を挟んで大島は戦列復帰した一方で、日本代表に招集されたMF守田がコスタリカ戦で負傷し離脱した。「チームの心臓」を欠く苦境の中、代役でボランチに入ったMF下田、MF田中が得点したのも大きな収穫となった。小林は「北斗(下田)と碧(田中)が決めることで、チームに笑顔が増えるし雰囲気も良くなる。あの2人のゴールはチームにとって大きいし、今日の勝ちは大きい」と祝福した。

完封勝ちで首位広島との勝ち点を6に縮め、得失点差も1に迫った。小林は「次は簡単にはいかない。すぐ切り替えて、課題を修正して。残り試合は勝ち点1でも積み上げて臨みたい」。昨季に続く逆転優勝に向けて、川崎Fの攻撃にスイッチが入った。【岩田千代巳】

▼7人7発 川崎Fが札幌戦でクラブ最多タイの7得点を決めて圧勝。家長、中村、阿部、下田、小林、知念、田中と7人がそれぞれ1ゴールをマークした。1試合で1チームの7選手が得点は、12年5月19日の札幌戦での鹿島(7-0)に並ぶJ1最多タイ記録となった。川崎Fの1試合7得点は、09年10月25日の広島戦(7-0)以来、9年ぶり4度目。9年前の試合は、ジュニーニョが2点、鄭大世、田坂、レナチーニョ、中村、登里が各1点の6人7発だった。