ヴィッセル神戸MFアンドレス・イニエスタ(34)は川崎フロンターレ戦で4戦、約1カ月ぶりに先発に復帰した。先制を許すも、攻撃のタクトを振るい得点に直結するプレーを見せ逆に2点のリードを奪ったが、後半に3連続失点を喫し逆転負けした。

試合後、イニエスタは「ネガティブな面としては、また負けてしまったことが結果としてある。でも首位のチームと互角の戦いを、ゲームのほとんどの時間で出来たので、それはポジティブな面として持ち帰りたい」と反省しつつも、敗戦を前向きに捉えた。

イニエスタは9月15日のガンバ大阪戦後、右足付け根に不安を抱えて、その後2試合を欠場し、6日のV・ファーレン長崎とのホーム戦で後半14分から途中出場し、戦列に復帰していた。先発に復帰した川崎F戦では、1点を追う前半15分、ペナルティーエリア右に浮き球パスを上げると、FWポドルスキが頭で落としたボールがDFのオウンゴールを誘発し、同点に追いついた。さらに同28分にはポドルスキの横パスを、FW古橋亨梧(23)が決めて逆転。チームはその後、さらに1点を追加したが前半43分に1点差とされ、後半20分からの11分間で3連続失点を喫し、3-5で敗戦。未勝利は7試合に延びた。

試合後、イニエスタは囲み取材に応じた。記者から「久々の先発で首位から3点奪いながら敗戦したが?」と聞かれると「チームとしては、65~70分くらいまでは、良い仕事が出来たんじゃないのかなと思います。それはポジティブに捉えています。ネガティブな面としては、また負けてしまったことが結果としてあるので、今日、足りなかった部分を、引き続き修正して、チームとして改善していくことしかないのかなと思います」と冷静に現状を見つめた。

個人としての出来は? と聞かれると「もっと100%に近い形でプレーしたいな、というのはもちろんあった。これから、また2週間ありますので、次にはもっと良い状態でチームに貢献できるんじゃないかな、と思っています」と11月3日のアウェー名古屋グランパス戦を見据えた。

対戦した川崎Fの印象を聞かれると「本当に、チームとしてしっかりしていて、良いサッカーをしています。個人としても、とても質の良い選手がそろっているチームだなと思っています。やっぱりリーグの首位ということで…。こちらとしては、首位のチームと互角の戦いを、ゲームのほとんどの時間で出来たので、それはポジティブな面として持ち帰りたいと思います」と答えた。

イニエスタは質問した記者の目をしっかりと見つめ、言葉を1つ1つ丁寧に選びながら答え、囲み取材後、日本語で「ありがとう」と言い等々力競技場を後にした。

出口を出ると、川崎Fのサポーターも神戸のバスの近くに待機しており「イニエスタ~!!」と大声援を浴び、バスに乗り込んだ。【村上幸将】