FC東京MF久保建英(17)が川崎フロンターレとの開幕戦(23日、等々力)で先発する可能性が浮上した。

6日、沖縄2次キャンプでガンバ大阪と練習試合(45分×3本)を実施。主力が出場した1本目から右MFで先発し、74分間プレーした。

1月29日のU-20日本代表合宿は右鼠径(そけい)部痛のため回避。実戦復帰となった一戦で、強烈な左足シュートを見せるなど猛アピールした。

厳しい日差しが照りつける中、久保が輝きを放った。主力組の右MFで先発。2点を追う1本目の39分、ペナルティーエリア付近で左足シュートした。観客が沸く弾丸シュートだったが、惜しくも相手GKの正面。それでも久保のシュートを皮切りに攻撃が活性化し、チームは同42分、46分と立て続けにゴールした。久保は無得点に終わったが、攻守に存在感を見せつけた。

「自分が点を取れればベストだったと思うんですけど、それ以外で監督に求められていることを自分も頑張ってトライしているところ。そういうところで監督やスタッフの方に評価をもらえているので、現状(主力が出る)1本目に出られていると思う。自分はおごらずに結果を求めて続けていくだけかな」

見えてくるのは開幕スタメンだ。この日はセンスある攻撃だけでなく、豊富な運動量を見せた。気温25度を超える暑さの中でもカウンターを受ければ最終ラインまで走り、守備を徹底。長谷川監督が求め、課題だった上下運動を示した。指揮官は「だいぶ走れるようになった」と舌を巻き、開幕先発の可能性に「名古屋との練習試合(9日)でもう1度見たい」と最終テストする意向を明かした。

昨年途中、横浜に期限付き移籍して武者修行を積んだ。今季から東京に復帰。成長して戻ってきた。久保は「自分が1本目から出ているという状況がこのまま続けば開幕も出られると思っている。気を抜かずにしっかりやるだけ」。17歳8カ月19日で開幕先発すれば稲本(G大阪)菅原(名古屋)に次いでJ1史上3番目の年少記録。進化した久保は開幕まで突っ走る。【小杉舞】

◆久保建英の東京五輪への道 “和製メッシ”の異名を持つ久保は、昨季U-17とU-20で代表入り。W杯ロシア大会中は、U-19代表の一員として現地入りし、A代表の練習パートナーを務めた。今年はU-20W杯(5月25日~6月16日、ポーランド)やU-23アジア選手権予選(3月、ミャンマー)が開催され、東京五輪のメンバー入りへ向けて存在感を示したいところ。

◆久保建英(くぼ・たけふさ)2001年(平13)6月4日、神奈川県生まれ。11年9月に川崎FのU-10からバルセロナ下部組織へ。12-13年シーズンに30試合74得点と大活躍。中2の15年5月に東京U-15むさしに加入し、同3年でユースへ飛び級昇格。世代別代表は、バルサ時代のU-15インドネシア遠征で初招集。17年5月のU-20W杯には「飛び飛び級」の15歳で出場した。昨季は横浜へ期限付き移籍し、期間満了で今季から東京に復帰。利き足は左。173センチ、67キロ