子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第17回はDFジョアン・オマリ(33)。

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レバノン代表DFオマリは現在、日本に単身赴任している。家族はドイツに住む。練習から帰宅すると食事と昼寝で休養をとり、夜に家族とテレビ電話をすることが楽しみになっている。

もともとは家族も日本にいた。ただ、レバノン代表の活動の際にそろって1度日本を離れた際にコロナ禍に見舞われ、家族は戻ることができなくなったという。「ぎりぎりまで日本に来られるように粘ったが、手続きが1時間だけ間に合わず、ドイツを出国することができなかった」。そこから1人で生活している。

家族と離ればなれになったことが、コロナ禍で受けた1番の影響だった。「人の移動も自由にできないので、会いにいくことも呼ぶこともできない。選手なので仕事に集中しているが、1人の時間が長くなるにつれて少しずつさみしさは出てくる」と率直な心境を口にした。

オマリはイスラム教徒。豚肉を食べることはないが、「日本の食べ物はすばらしい。野菜も魚もおいしいし、遠征でも準備してもらえている」と話した。また年に1度は断食があり、今年は5月が主にその期間だった。日中は水以外は口にできないが、たとえ試合があってもムスリムの義務として守っているという。「厳しい部分もある。ただそれ以上にラマダン(断食)は大事。すべてのものに感謝する時期。食べ物や、作ってくれる人へのありがたみを感じる。選手としては苦しくても、人間として大切なこと」と語った。【岡崎悠利】

◆ジョアン・オマリ 1988年8月19日、ドイツ・ベルリン出身。06年にドイツでプロデビュー。16年にトルコリーグのシワススポル、17年にUAEのアル・ナスルを経て18年に鳥栖へ期限付き移籍で加入。19年に神戸、20年に東京に完全移籍した。13年にレバノン代表に初招集され、直近のW杯アジア最終予選でも選出されている。好きな食べ物はピザ。187センチ、82キロ。