名古屋の黄金ルーキー、MF田鍋陵太(18=三菱養和SCユース)が、プロになって初めてのキャンプで順調にメニューをこなしている。大分・別府キャンプも19日で11日目を迎えた。ここまで練習試合2試合ともに途中出場し、右サイドで豪快な突破を披露。控え組でのプレーだったが、早速、高い潜在能力を印象付けている。

 今季チームは3バックに本格的に取り組んでいる。加えて、ドラガン・ストイコビッチ監督(46)ら首脳陣は選手に対し、戦術的な決まり事をしっかり遂行することを求め、目を光らせている。高卒ルーキーにとっては日々、学ぶことばかり。多少の戸惑いはあるようだが、戦術をしっかり身に着けながら、虎視眈々(たんたん)とアピールのチャンスを狙っている。

 武器は50メートル5秒8の快足。チームには同じ5秒8の圧倒的なスピードを誇るU-23(23歳以下)日本代表FW永井謙佑(22)がいるが、練習の動きを見る限りタイプは少し違うようだ。瞬時にスピードをトップギアに上げる永井に対し、田鍋は長い距離を豪快に駆け抜ける迫力あふれる動きが売り。永井がスパッと切れる“刀”なら、田鍋はたたき切る“ナタ”といった感じだ。

 21日のキャンプ打ち上げまでに、残る練習試合は1試合。開幕スタメンを目標に掲げている大物ルーキーは「まだ得点がないんで、まずは得点を狙いたいです」と果敢にプロ初ゴールを狙いに行く。名古屋では、本田圭佑(25=CSKAモスクワ)以来となる、クラブ史上5人目の高卒新人開幕スタメン出場を狙う若武者は、ここから一気にペースを上げていく。