<J2:山形0-0甲府>◇第5節◇29日◇NDスタ

 山形FW豊田陽平(22)が「凱旋(がいせん)試合」を飾れなかった。27日のU-23(23歳以下)日本代表対アンゴラA代表戦で1得点して以来、中1日で甲府戦の後半から途中出場。北京五輪出場をアピールする活躍をしたばかりで、サポーターからの歓声が響いた。シュート4本を放ったが、無得点で終わった。試合は0-0で引き分け、今季ホーム初白星を逃した。

 会場全体が、豊田の登場を待ち望んでいた。後半開始から背番号11がピッチに現れると、山形サポーターから歓声がわき上がった。同3分にはMF宮崎、6分にDF木藤、11分にMF渡辺と、センタリングが次々に185センチの長身FWに集まった。シュート4本を放ったが、結局無得点。それでもエースの奮闘ぶりに、約3100人の地元ファンから拍手が起こった。

 豊田は厳しい表情で観客席へのあいさつを続けた。「笑顔で手を振れなかった。声援を無視したわけじゃない。期待に応えられなかったのが悔しかった」。27日に67分間、アンゴラ戦に出場したばかり。中1日では疲労は取れなかった。「キツくて動けないわけじゃないんですけど、体がキレてる時とは違った」と漏らした。第2節C大阪戦からのリーグ戦連続ゴールは、2試合で止まった。

 小林監督は「豊田はチームから1週間離れていたので、長谷川を先発で使った。後半15分からの予定だったけど、長い時間使った」と明かした。豊田は指揮官の期待通りに、気迫あふれるプレーを続けた。「次の試合まで1週間あるので、いい体調にして、ガムシャラにやりたい」。五輪代表FWの闘争心に火が付いた。【柴田寛人】