<J1:東京1-0札幌>◇第5節◇5日◇味の素

 三浦札幌また連敗-。コンサドーレ札幌は東京に0-1で敗れ、J1での対戦成績が屈辱の5連敗となった。前半12分に失点し、後半からMF砂川誠(30)、FWの石井謙伍(22)ノナト(28)を投入するも試合の流れを変えられなかった。今季は開幕からナビスコ杯も含め公式戦7戦で無失点試合はゼロ。しかもホーム開幕横浜戦以外、6戦すべてで先制点を許すなど、DF陣の入れ替えが急務となった。

 札幌の土台が揺らいでいる。昨季J2最少45失点、1試合平均0・94失点に抑えたDF陣が、J1で通用しない。今季7戦で12失点。三浦監督は「立ち上がり15分の悪さを最後までひきずってしまった」と序盤の失点を第一の敗因に挙げた。

 前半12分、ペナルティーエリア内の浮き球をDF曽田が競りきれず、こぼれたボールへのDF坪内の寄せも遅れ、東京FWカボレにゴールを奪われた。前半1分、2分、4分と立て続けにチャンスを外した直後の失点。集中力を欠いた一瞬に、この日の勝負のカギがすべて詰まっていた。

 センターバックの曽田は「すべて(の原因)は自分がバランスを崩してしまったこと。申し訳ない」と肩を落とした。後半20分にはFW石井と途中交代させられた。FW出身で高さのある曽田は、本来リードされた場面では、得点を取りに行くためのオプションとしても起用される。三浦監督が躊躇(ちゅうちょ)なく交代を決断したのは、明らかに守備のほころびを感じ取ってのものだった。

 皮肉な結末となってしまった。この日、昨季札幌のJ2優勝に貢献し、今季東京に移籍したDFブルーノ・クアドロスが今季初めて先発出場。東京はこの日、今季リーグ初の完封勝利を飾ったが、一方の札幌は7戦して、いまだ完封試合なし。「日本人でカバーできるポジションだから」とブルーノを戦力外にし、ボランチ補強にこだわった三浦監督だったが、思わぬ“恩返し”をくらうはめになった。

 三上強化部長は「若干のDFメンバーの変更は必要。うちのチームは守備で8割圧倒しなければならないのに、できていない。やるべきことができていない」と守備陣のテコ入れを示唆した。これで東京戦5連敗。大宮時代に味スタでの東京戦無敗を誇った三浦監督でさえ止められなかった。次節はまたもリーグ戦6戦未勝利と相性の悪い磐田が相手。厳しい戦いが続くが、1週間の調整で、DF陣という札幌の基盤をもう一度見直さなければならない。【永野高輔】