決定力不足に悩むJ2仙台の手倉森誠監督(40)が17日、ツートップからワントップへのシステム変更を示唆した。19日の愛媛戦(アウェー)で、これまでの4-4-2から、FWを1人減らしての4-2-3-1への変更も視野に入れている。開幕7試合で6得点しか挙げられず、J2で唯一、複数得点試合がない。システム変更は、3得点にとどまっているFW陣に奮起を促すための、荒療治の意味合いが強い。

 期待通りの結果を出せないFW陣に、手倉森監督は目に見える形の荒療治を用意していた。この日の紅白戦の2本目で、FW中島をワントップに据えた4-2-3-1を試した。1本目で中島とツートップを組んだ中原は、ピッチの外で観戦。「FWを1枚減らすことで、彼らに刺激を与えられる」と、指揮官は最大の狙いを口にした。

 ここまで120本のシュートを放ちながら、6得点で決定率はJ2ワースト。システム変更は得点力不足解消策か、と問われた指揮官は「FWが2人いても点が入らない。だったら中盤を厚くするという考えがあってもいい。ここのところ中盤の方が得点を決めている」と説明した。最近2試合は、いずれも流れの中から梁、関口のMF陣が得点しているシーンが、指揮官の頭に焼きついている。

 愛媛がサイドからのクロスに弱いのも、システム変更を考えている理由の1つだ。右の攻撃的MFに「4-4-2の中に置くより、外に張らせておいた方がいい」(同監督)とクロスの精度が高い佐藤の長所を生かす考えだ。「ノーマルの形でいくかワントップでいくか、試合当日までに決める」と指揮官。システム変更という「宝刀」が、果たしてゴール欠乏症のチームを目覚めさせるか…、こうご期待だ。【山崎安昭】