コンサドーレ札幌の期待のルーキーFWが、トップデビューへ猛アピールした。U-19(19歳以下)日本代表FW宮沢裕樹(18)が27日、道都大との練習試合に先発。実戦2試合目で“プロ初ゴール”を決めた。前日26日の新潟戦でエースのダビが乱暴行為で退場となり、29日の浦和戦は出場停止。FW陣が手薄な中、新星への期待が膨らんでいる。

 道都大戦では前半8分、左サイドをドリブルで突破。トップスピードからフェイントでDFのマークを外すと、利き足ではない左足でゴールを奪った。「チャンスはたくさんあるものではない。少ない機会を生かしたい」という言葉通りの1発。三浦監督も「走力の部分は足りないが、タッチは良いものをもっている」と、その非凡なセンスを認めた。

 チームはFW不足にあえいでいる。ダビは最低2試合以上の出場停止が濃厚。12日の磐田戦で左ひざ靱帯(じんたい)を損傷した中山は全治1カ月と診断されたばかり。期待されたノナトはチームにフィットせず、石井も本調子にほど遠い。この緊急事態にFW復帰を予定していたDF曽田は、腰痛で次節欠場が決まっている。

 宮沢も2月のグアム合宿は虫垂炎で参加できず、3月には左足第5中足骨を骨折。本格的な練習開始が今月中旬からと本調子ではないが、前節新潟戦では初めてベンチ入り(出番なし)した。浦和戦でのデビューに向け「チームの苦しいときに役に立ちたい。高原さんとか日本を代表する選手と対戦したい」と意欲をみせた。【上野耕太郎】