<J1:東京V3-2横浜>◇第10節◇3日◇国立

 東京Vが今季から「クラシコ」と銘打った横浜との対戦で、16年越しのリベンジを果たした。93年5月15日のJリーグ開幕戦で1-2と敗れたライバルにFWフッキの1得点1アシスト、MFディエゴの1得点の活躍などで3-2と勝利。当時、川崎の主力として苦杯を喫した柱谷哲二監督(43)が、伝統の一戦に選手たちを奮い立たせ、クラシコという新しい歴史の1ページ目に白星を刻んだ。

 ひざまずいて、あらん限りの力で両拳を握りしめ、天を仰いだ。15年前と同じ国立の舞台で見せられなかった勝利のガッツポーズ。3-2とライバル横浜を破った東京V柱谷監督は、16年越しの雪辱に高ぶる感情を抑えようとはしなかった。

 「神様に最後は祈ってた。いいゲームをしたかったし、勝ちたかった。変なパフォーマンスも自然と出た」。負けず嫌いの「闘将」が喜びを爆発させた。

 横浜とは日本リーグ時代からしのぎを削り、日本サッカーをともにけん引してきた。15年前のJ開幕時には人気、実力ともに絶頂だった。3季ぶりの対戦に両クラブ関係者が「クラシコ」と銘打ち、ライバル意識をあおった。この日は、当時のユニホームをTシャツにし、選手着用で入場させるなど多彩な手法で初の「クラシコ」を盛り上げた。

 そんな雰囲気に柱谷監督も乗った。「クラシコという舞台で戦える幸せを感じろ。(伝統をつくった)OBに感謝しろ。いいゲームをして勝つ。そして(黄金カードから変わった)クラシコの新しい歴史をつくれ!」と、横浜戦への思い入れが薄かった選手たちを鼓舞した。前半こそ横浜に主導権を握られたが監督のゲキ、会場の雰囲気に選手のプレーも変化。1得点1アシストのフッキは「クラシコに勝てて気持ちがいい」と歴史を知らない外国人も「クラシコ」という言葉の持つ意味に奮起した。

 93年当時、背番号10を背負ったラモス常務は「この試合が(名門復活の)きっかけになる」。後半は流れるような攻撃を見せるなど今季最多の3得点を挙げ、横浜の終盤反撃を体を張り、気迫あふれるプレーでしのいだ。柱谷監督は「クラシコと呼ばれるにふさわしい試合。新しい歴史がつくれた」。リーグ戦対横浜2422日ぶりの勝利が、巻き返しへの号砲になる。【岡本

 学】