<J1:名古屋3-1札幌>◇第13節◇17日◇札幌ドーム

 日本代表の名古屋FW玉田圭司(28)が芸術的なゴールを決めた。札幌戦の後半24分、グラウンダーの右クロスをまたの下に通し、右足のインサイドでゴールネットを揺らした。J1は18日の2試合を最後に一時中断。日本代表メンバーは、W杯3次予選4試合が集中開催される6月に向けて、集中していく。

 一瞬、何が起きたのか分からなかった。後半24分。名古屋FW玉田が、FW杉本のグラウンダーのクロスに反応する。通常のシュートを打つ動きはなかったが、足元でボールの軌道が変わると、ネットが揺れていた。1度、また下を通過させ、左足の後方にクロスさせた右足のインサイドで流し込んだ。

 「今までないんじゃないかな。瞬間の判断。練習でもああいうプレーをしているから、体が覚えている」。「人生初」の1発を振り返り、自画自賛した。現役時代、芸術的なプレーで沸かせたストイコビッチ監督をも魅了。同監督は会見の最後に、自ら口を開き「玉田は今日は素晴らしいプレーをした。(招集した)岡田さんの判断は正しいと思う」と話した。

 玉田にとってはリーグ10試合、約1カ月半ぶりの得点だった。「調子が悪い訳ではないのに」とゴールから遠ざかり、少し気にしていた。そんなモヤモヤも一掃だ。チームを3-1の快勝に導き、2位でリーグ中断の好位置につける1発。同時にFW陣の故障に悩む岡田監督にも全快をアピールした。

 疲労による股(こ)関節の違和感で5月6日東京戦を欠場したが、もう心配無用。「(代表の)けが人の中に自分も入っていたと思うけど、もうけが人とは見てほしくないですね」。ピクシーも観戦する24日コートジボワール戦は、名古屋のホーム豊田スタジアムが舞台。玉田が思い切り暴れる。【八反誠】