灼熱(しゃくねつ)の中東を体験した18歳がゴールで成長を証明する。コンサドーレ札幌は8日、ナビスコ杯柏戦(札幌ドーム)に臨む。決勝トーナメント進出の可能性を残す予選リーグ最終戦を前に、FW宮沢裕樹(18)が5日、U-19日本代表サウジアラビア遠征から帰ってきた。FW陣はエースのダビが累積警告で出場停止、中山も左ひざを痛め実戦から遠ざかっている上、4日には石井が右ひざを負傷し離脱した。2試合ぶり先発が濃厚の宮沢は「勝利に貢献したい」と疲れも見せず、貪欲(どんよく)だ。

 サウジアラビアから15時間の長旅。前夜は午後11時に帰宅した。この日は9時半からの練習で調整した。5月26日からの日本代表合宿は試練が続いた。地元チームとの練習試合に3度、出場し1得点を挙げた。敵は相手チームではなく気温だった。「気温40~50度くらいあった。汗が噴き出して止まらない感じ」と初体験の環境のなか74キロあった体重が3キロ落ちた。それでも「体が軽くなった。動きがキレキレになっていればいいっすね」と前向きだ。

 同部屋の横浜MF水沼ら、ブレーク直前の選手たちとのふれあいが刺激にもなった。その経験を披露する柏戦は18歳最後の試合だ。「だれが先に入れるという順番は関係ない。とにかくゴールを決めて勝つことだけにこだわりたい」。公式戦デビューから6戦目、28日に19歳になる宮沢の口調は大人びてきた。