<J1:G大阪1-1神戸>◇第22節◇23日◇万博

 G大阪MF遠藤保仁(28)が早くも9月6日のW杯アジア最終予選初戦バーレーン戦招集に当確ランプをともした。ウイルス感染症から復帰4戦目の神戸戦で、前半27分にFW山崎の先制ヘッドをアシスト。視察した日本代表岡田武史監督(51)がバーレーン戦での招集を明言した。後半2分に得意のPKを外して1-1で引き分け、公式戦6試合ぶり白星は逃したが、復調の一途で再び岡田ジャパンの核になる。

 よみがえったキックの感覚で、代表復帰をたぐり寄せた。前半27分、遠藤が左サイドから仕掛けた。ゴール前に飛び込む山崎の頭に合わせる正確なクロス。「あれはいい形だった。ヤマ(山崎)がしっかり決めてくれた」。ウイルス感染症から復帰4戦目で初アシストだ。「連続した動きでも息が上がらなくなった」と手応えを口にした。

 20日のウルグアイ戦は招集されなかった。それでも、視察した岡田監督の信頼は揺るがない。25日のメンバー発表を前に、珍しく「彼は代表の中心。来てもらいたいと思っている。(西野監督にも)もう話した」と招集を明言した。中村俊、松井ら欧州組の参加が濃厚だが、遠藤が軸になる構想は変わっていない。後半2分には「珍事」があった。遠藤がPKを失敗した。右隅にコロコロと蹴ったが、止められた。プロ3度目の失敗。遠藤は「コースが甘かった。僕の完全なミス」と天を仰いだ。しかし、岡田監督は「まだ完ぺきじゃないんだろうけど、試合を作る感覚は問題ない」と逆にフォローした。

 代表、クラブのフル稼働で疲労が蓄積し、ウイルス感染症に倒れた。体調を心配するG大阪の仲間からは「(代表を)辞退しろよ」と冗談交じりで言われる。だが、日の丸を背負う気概はぶれない。「代表に入り続けて、出たい気持ちは強い。呼ばれたら光栄」。10年W杯へ。遠藤が再び岡田ジャパンを引っ張っていく。【北村泰彦】